家を新築やリノベーションする時、一緒に家具のことも考えていますか。家づくりの際には決めなくちゃいけないことがたくさんあって、家具は後回しになってしまいがちですが、暮らしの快適さを考える上で家具はとっても大切です。
家の中の大きな家具というと、ダイニングテーブル、チェア、ソファなどがありますが、今回はベッドについてご紹介します。寝室は長い時間を過ごし、1日の疲れをとる大切な場所。マットも寝心地を左右するのでもちろん大事ですが、それを支えるベッドフレームも同じくらい大事です。
粗悪なつくりのものだとグラグラしたり、寝返りを打つときしんで音がしたり、よくない材料でつくられたものだとイヤな臭いがしたり・・・。そんなことにならないように、素材にも作り方にもこだわって丁寧につくられたベッドフレームを選びましょう。
この記事では、ベッドフレームの選び方のポイントと、永く大切に使いたい無垢木製ベッドのおすすめをご紹介します。
説明はいいからおすすめ8選を早く見たい!という方は、ここから飛んでください。
ベッドフレームの種類
ベッドにはいろいろなタイプのものがありますので、まずはその種類から解説します。
- 「脚付ベッド」
いちばん一般的なタイプで、下があいているカタチのもの。通気性がいいことがメリットです。下のあいているところに埃がたまりやすくなりますが、スティックタイプの掃除機などを使うと奥まで掃除しやすくなります。 - 「収納付ベッド」
ベッドの下の部分が引出しになっていたり、床板を跳ね上げてその下が収納できるようになっているものがあります。収納量が増えるのがいいところ。 - 「折りたたみベッド」
2~3つに分解できるものや、中央で折りたためるものなどがあります。引っ越しの多い人や来客用のベッドを用意しておく場合などには便利。 - 「2段ベッド」「ロフトベッド」
子供部屋などあまりスペースがとれない場所には、高い位置にベッドがあり下を机や収納がある「ロフトベッド」が便利です。後から2段のベッドをわけて普通のベッドとして使えるものもあります。
ベッドフレームの選び方
サイズ
ベッドのサイズは、体格や寝る人数、部屋の広さにあわせて最適なものを選びましょう。マットのサイズはどのメーカーもほぼ同じくらいなのですが、ヘッドボードや脚のデザインなどによって長さが10cm程度違いますので、よく確認しましょう。
主に次の6つのサイズがあります。
- 「セミシングルサイズ」
幅80~90cm×長さ195cm
一般的なシングルサイズよりも、更に幅が狭くなっているサイズです。主に部屋の広さが限られている時にこれを選ぶととても効果的。 - 「シングルサイズ」
幅100cm×長さ195cm
ひとり用のベッドとしてはいちばん一般的なサイズ。どのメーカーにも種類が豊富あるので、選択肢が多いです。 - 「セミダブルサイズ」
幅120cm×長さ195cm
基本的にはひとり用のベッドですが、シングルサイズよりも20cm幅が広いので、体格のいい方やゆったりと使いたい方向けです。 - 「ダブルサイズ」
幅140cm×長さ195cm
ふたりで寝ることができるサイズですが、体格によっては少しゆとりがなく感じることがあるかもしれません。 - 「クイーンサイズ」
幅160cm×長さ195cm
一般的な体系の大人ふたりがゆったりと使えるサイズ。小さなお子さまと一緒に寝ることもできるサイズ - 「キングサイズ」
幅180cm×長さ195cm
大人ふたりと小さな子供ひとりが一緒に使えるサイズ。かなり大きなサイズになりますので、十分な部屋の広さと、搬入する際の廊下や階段の幅をよく確認しておきましょう。
床からの高さ
ベッドフレームの高さには特に決まった分類があるわけではありませんが、ここではわかりやすく「ロータイプベッド」「スタンダート(一般的なもの)」「ハイタイプベッド」の3つにわけてお話します。
高さについては、ベッドマットの厚さとベッドフレームの高さをあわせた合計の高さを指しています。ベッドマットは、ウレタン製のもので10~20cm程度、ポケットコイル式やスプリング式のもので20~30cmのものが一般的で、高級なものだと30cm以上の厚さのものもあり様々です。
ロータイプベッド:高さ20~30cm
このタイプのベッドは床面とかなり近くなりますので、寝相が悪くてベッドから落ちる心配がある人や、掛け布団がズリ落ちることがある人におすすめ。高さが低く空間への圧迫感が少ないので、開放感があって部屋がスッキリと見えるというのもいいところです。
デメリットは高さが低いので座ったり立ち上がったりしにくいことで、足腰の弱い方や腰の痛い方には向いていません。
またほこりは床面から約30cmまでの範囲に多く対流していますので、低すぎるベッドだとほこりを吸い込みやすくなってしまうことにも注意が必要です。
スタンダードベッド:高さ40~50cm
標準的な高さなので使いやすく、販売されているベッドの数も多いのでデザインや素材の選択肢が増えます。一般的な椅子の高さ(40cm程度)と同じなので自然に立ち上がりやすく、楽に過ごすことができます。
ハイタイプベッドに比べると、ベッド下の収納スペースは少ないので、あてにできるほどの収納量はありません。
ハイタイプベッド:高さ50cm以上
なんといってもベッド下の収納量が多くとれるところがメリットです。部屋が狭い場合にはこのタイプや、もっと高さのあるロフトタイプのベッドが効果的です。
寝ている際に落下しないための手すりや柵のあるタイプもあるので、心配な方はそこもチェックしておきましょう。
通気性
すのこ状になっているものは通気性がいいのでおすすめです。マットに湿気がこもったままだとカビやダニが増える原因になりますので注意しましょう。
ベッドマットではなく敷布団をベッドフレームに敷きたいということで畳ベッドをお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。布団を毎日上げ下げするのであればいいのですが、一般的なベッドと同様に敷いたままという場合には、タタミに湿気がこもってしまいます。
タタミにも布団にも、もちろんそこに寝る方にとってもいい状況ではありませんので、まめに布団を干したり、タタミの下がすのこ状で通気ができるようになっているベッドフレームを選びましょう。
素材(木の種類)
家具に使われる木材には大きく分けて「無垢材(むくざい)」「突板(つきいた)」の2種類があります。
無垢材(むくざい)
丸太から切り出した木材を、家具や建築などの用途にあわせて板や角材などの形状に製材したもののこと。ある程度の幅以上で使用する場合には、何枚かをはぎ合わせて使用することもあります。
突板よりも価格が高く、反ったり割れたりすること、メンテナンスが必要などのデメリットがありますが、塗装の仕方によってはいい風合いに経年変化することや、本物の木の存在感や迫力を感じられることが魅力的です。
突板(つきいた)
木材を薄く(0.2mm程度)スライスした板のことで、これを合板などの芯材に張りつけて使用します。表面は薄いとはいえ本物の木なので、遠目でパッと見ただけでは無垢材との見分けがつきにくいものもあります。
価格が抑えられることと、無垢材のように木が反ったり割れたりすることが少ないことはメリットですが、ぶつけたり傷がついた場合には下地の板が見えてしまい、無垢板のように削って直すことはできません。
この他に、木のようなものとしては「プリント合板」があります。これは木目の模様をプリント(印刷)したシートを、合板などの芯材に張り付けたものです。最近はとてもリアルな木目プリントもあり、
こちらもパッと見ると一瞬本物の木のように見えるものもあります。ですが当然質感は本物とは全く別物ですし、時間が経つとシートがはがれてきます。
ヘッドボードの形状
ヘッドボードは頭の上の部分についている板のことで、この部分が棚になっていたり、またヘッドボードがないベッドフレームもあります。コンセントや照明がついているものもありますので、自分がどんな風に寝室を使うかをイメージしながら選ぶといいですね。
ヘッドボードに棚があると便利ではありますが、棚がないタイプと比較するとその分10cm程度長くなりますので、部屋の広さによっては通路部分がかなり狭くなることも。
その場合は棚のないものやヘッドボードがないものを選んで、小さなサイドテーブルを置く方法もあります。
無垢材 木製ベッドフレームおすすめ7選
上質な無垢材でつくられたベッドフレームのおすすめ7選をご紹介します。一般的な広さの住宅でも無理なく置けるように長さがあまり長くないもの、無垢材のよさをいかしたシンプルなデザインのものを選んでいます。
突板や合板を使わずに、無垢の木材で製作されたものだけに限っています。どれも素材だけではなく丁寧にこだわって作られていますので、価格は量産品と比較すると高価になりますが、それに見合う価値のあるベッドフレームです。
1,無垢材ベッドフレーム「コルツ」【ビーナスベッド】
出典:ビーナスベッド
無垢材の美しい木目いかしたシンプルなデザインが魅力的な、無垢材のベッドフレーム 「コルツ」。床板は桐材のすのこ仕様になっていて、通気性も抜群。
シングルからキングサイズまで用意されているので選択肢が広がりますし、2台並べて使用しても隙間があかないところも使いやすいです。
余計な装飾がないことと、全体的に低めに抑えられているので、部屋がすっきりとした印象になります。
樹種はウォールナット、ブラックチェリー、オークの3種類があり、ウォールナットとブラックチェリーはクリアオイル仕上げですが、オークは無垢材にブラウン色のオイル塗装を施しています。
2,オーク無垢材 ベッドフレーム【WOODLIFE】
出典:WOODLIFE
北米産オークを使用した無垢材のベッドフレーム。角に丸みをもたせたデザインが見た目にも使い勝手にもやさしいつくり。すのこ材にはラジアータパイン材を使用。別途で引き出しも用意されているので、好みにあわせて追加することもできます。
ショップのページには他にも、ヘッドボードのないシンプルなオーク材のベッドや、下が収納になっているチェリー材のベッドなど様々なタイプの無垢材ベッドフレームがあります。
名称 | オーク無垢材 ベッドフレーム |
サイズ展開 | 幅100/120/135/150cm |
サイズ | 幅105cm×長さ205.5cm×高さ85m(シングル) 床高:35cm |
素材 | フレーム:オーク、 すのこ:ラジアータパイン 引出し(側板、底板、先板):桐 |
塗装 | ウッドワックス塗装 |
ショップサイト | WOODLIFE |
3,無垢のひのきでつくる すのこベッド【キシル】
出典:楽天市場
国産の無垢材を使った家具をつくる「キシル」の、無垢のひのきを使ったすのこベッド。すのこまですべて無垢のひのきでつくられています。本体の塗装は、無垢材の呼吸をさまたげないオイル塗装。
ひのきは丸太の状態で仕入れ、自社工場で製材、乾燥、加工まで行っているそう。節が少ないきれいな材を使用し、デザインもスッキリしているので、どんな部屋にも合わせやすいベッドです。
シングルよりも幅の狭いセミシングルサイズ(幅80cm)や、ヘッドボードがないタイプもあり、選択肢が多いのもうれしいところ。手の届きやすい価格も魅力的です。
東京や大阪など6カ所に店舗があります。(見たい家具が展示されているかどうかは、事前に確認してください。)
名称 | ベッドF スタンダード |
サイズ展開 | セミシングル、シングル、セミダブル、ダブル |
サイズ | 幅80cm×長さ200.5cm×高さ53cm(セミシングル) 幅100cm×長さ200.5cm×高さ53cm(シングル) 幅120cm×長さ200.5cm×高さ53cm(セミダブル) 幅140cm×長さ200.5cm×高さ53cm(ダブル) 床高:28cm |
素材 | ひのき |
塗装 | 本体:オイル、すのこ:無塗装 |
産地 | 静岡県浜松市 |
ショップサイト | キシル 楽天市場店 |
4,Bed SOMNUS(ベッド ソムヌス)【北の住まい設計社】
出典:FLYMEe
北海道の無垢材で職人の手仕事を昔ながらの工法を用いてつくられているベッドフレーム。家具としての意匠性だけではなく、身体をあずける床板の仕様にも作り手のこだわりが詰まっています。
スノコの上に重ねるスプリングは、無垢材の板と天然ラテックスを組み合わせたオリジナルウッドスプリング。通気性が高く、環境への負荷も少ないのもいいところです。
ラテックスマットレスが付属していて、ウッドスプリングの上に重ねて使用します。2つを重ねることによって、ラテックス特有の反発と板バネのしなりが二重のクッションとなって、肩や腰などの体重がかかりやすい部分ほど深く沈みこみ、背骨のラインがまっすぐと伸びた理想的な睡眠時の姿勢を保ちます。
樹種はイタヤカエデとナラの2種類。ナラはオイル仕上げ、イタヤカエデはオイル仕上げとソープ仕上げから選ぶことができます。シングルからキングサイズまで5種類のサイズ展開です。
名称 | Bed SOMNUS (ベッド ソムヌス) |
サイズ展開 | 幅104.5/127.5/147/168/204.2cm |
サイズ | 幅104.5cm×長さ201cm×高さ90m(シングル) 床高:49cm |
素材 | 本体、ウッドスプリング、スノコ:イタヤカエデ、またはナラ マットレス(付属):ラテックス |
塗装 | イタヤカエデ:ソープ仕上げ/オイル仕上げ ナラ:オイル仕上げ |
ブランドHP | 北の住まい設計社 |
ショップサイト | FLYMEe |
5,ウォールナット無垢材ベッドフレーム グラマシーベッド【マスターウォール】
出典:マスターウォール
マスターウォールは岡山県の家具メーカー・AKASEが運営する、主にウォールナット無垢材を使った家具ブランド。
ウォールナットの家具が中心のブランドですが、商品によって樹種はウォールナット以外にもあり、このベッドフレームはレッドオークも選べます。(オプションの項目を進み、樹種を選択)
「グラマシーベッド」はシンプルなデザインですっきりした印象のウォールナットのベッドフレーム。ヘッドボード上には奥行きの浅い棚があり、眼鏡や時計などの小さなものを置くことができて便利です。
床板はヒノキ材のすのこ仕様になっているので通気性も抜群。シングルからキングサイズまで6サイズの幅広いサイズ展開です。標準の床高さは20cmと少し低めだが、オプションで高さを変更することができるので、合わせるマットや好みにあわせて調整することができます。
名称 | グラマシーベッド |
サイズ展開 | シングル、セミダブル、ダブル、ワイドダブル、クイーン、キング |
サイズ | 幅102cm×長さ206.5cm×高さ700cm(シングル) 幅125cm×長さ206.5cm×高さ700cm(セミダブル) 幅145cm×長さ206.5cm×高さ700cm(ダブル) 幅155cm×長さ206.5cm×高さ700cm(ワイドダブル) 幅166cm×長さ206.5cm×高さ700cm(クイーン) 幅186cm×長さ206.5cm×高さ700cm(キング) 床高:20cm(オプションで高さ変更可能) オプションでヘッドボードの高さ変更も可能 |
素材 | フレーム:ウォールナット、レッドオーク すのこ:ヒノキ無垢(無塗装) |
塗装 | オイル仕上げ |
ショップサイト | マスターウォール |
同じショップにはこのベッドの他にも、床面の高さが8cmとかなり低いベッドフレーム「ユニゾン ベッド」や、その他にも多くの無垢材のベッドフレームがあります。
商品によっては床面が標準仕様では布張りになっており、その場合には内部にラワン合板とMDF(細かく粉砕した木を板状に成形した材料)が使用されています。
仕様選択の際に同額でヒノキ材のスノコ仕様に変更することもできますので、合板を使いたくない場合や通気性をよくしたい場合は、スノコ仕様がおすすめです。
6,熊野古道ひのき無垢材 すのこベッド【ひのきベッド工房 彩り屋】
出典:楽天市場
彩り屋の「すのこベッド」は、熊野古道のひのき無垢材を100%使用して職人がひとつひとつ丁寧に製作するベッド。6本脚で支えられており強度十分なつくりとなっています。無垢材のひのきを使っているので接着剤の使用はほとんどなく、わずかに使用するものもF☆☆☆☆に適合したものです。
ひのき材を使用したベッドは他のメーカーにもありますが、節(ふし)のたくさんあるものが多いです。そんな中こちらはきれいな材料を選び、すっきりとしたデザインでつくられているので、インテリアにも自然になじむものになっています。
ショップのページでは工房で家具を製作している動画が紹介されていて、しっかりとしたモノづくりの姿勢が伝わってきます。ヘッドボードのないタイプもあり、サイズ調整などのオーダーも可能。
上記の1~5で紹介している広葉樹の無垢材でつくられたベッドに比べると価格が抑えられています。
名称 | 熊野古道ひのき無垢材 すのこベッド |
サイズ展開 | シングル、セミダブル、ダブル |
サイズ | 幅98cm×長さ200cm×高さ46cm(シングル) 幅120cm×長さ200cm×高さ46cm(セミダブル) 幅140cm×長さ200cm×高さ46cm(ダブル) 床高:30cm |
素材 | 国産ひのき無垢材 |
塗装 | 無塗装 |
ショップサイト | ひのきベッド工房 彩り屋 |
7,折りたたみベッド ひのきスノコ【中居木工】
出典:楽天市場
中居木工の「折りたたみベッド ひのきスノコ」は引っ越しの多い方や、来客のためのベッドを用意したい方におすすめしたい、折りたたみのできる無垢材のベッドフレームです。女性でも簡単に軽い力で折りたたむことができ、使わないときには収納しておくことができるのが便利です。
床面は岡山県産ひのき材でつくられたすのこになっていて、湿気対策に効果的です。
名称 | 折りたたみベッド ひのきスノコ |
サイズ | 幅106.5cm×長さ201cm×高さ34cm(シングル) マット設置面までの高さ:23.5cm |
折り畳み時のサイズ | 幅106.5cm×長さ114cm×厚さ29cm(シングル) |
サイズ展開 | シングル、ワイドシングル |
素材 | 本体:ラバーウッド、すのこ:ひのき |
産地 | 国産 |
ショップサイト | 中居木工 |
無垢材の木製ベッドフレーム まとめ
ベッドフレームの中でも特に無垢材限定のおすすめのベッドフレームをご紹介しました。
無垢材の家具は合板や突板を使ったものに比べると高価になりますが、大切に一生付き合っていける家具になることと思います。
今回紹介した「無垢材の木製ベッドフレーム」はこちら
その他、無垢の家具のおすすめについてはこちらを。
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