初台の家 

ダイニングの奥には本棚とカウンターがあり、家族みんなの書斎として使っています。

築34年のRCマンションのスケルトンリノベーションです。
以前からお住まいだったこのエリアでマンションを探していらっしゃって、このマンションを購入しようかどうかを検討されている頃にご相談をいただきました。

もともと食材についての安全にこだわっていらっしゃり、住まいについても自然素材など安心のできる素材でつくりたいというご要望がありました。
そこでマンション探しとともに設計者もお探しいただいている中で、国産材での家づくりを紹介しているサイトにたどり着き、そこでいろは設計室のマンションリノベーション「荻窪の家」を紹介した記事をご覧いただき、知っていただいたことがきっかけでした。

マンションであってもムクの木、特に国産材でつくるということをもっと多くの方に知っていただければと思ってお受けした取材だったので、こうやって次の家につながりとてもうれしく思いました。

床には30ミリの厚さの杉板、壁や天井には火山灰を原料とした左官材や和紙壁紙などの自然素材を使っています。
テーブルやローボードなどの製作家具やキッチン前のカウンターには、以前から買ってストックしてあった国産の栗の木をオイル塗装で仕上げました。

ダイニングからキッチン方向を見たところ。右の杉板に囲まれた奥は子供室。下部は引き出し収納。

リノベーション前の間取りでは、現在のリビングとダイニングとの間の位置に壁がある細かく区切られた間取りでしたが、その壁をなくし、リビング、ダイニング、台所がつながった大きな空間にしました。

築34年の建物ですので、現在の基準から考えると改修前のままでは 断熱性が十分ではありませんでした。
角部屋の最上階であり、夏の暑さや冬の寒さなど外の影響を受けやすいため、断熱や機密の性能を高めるための工事をしっかりと行う必要がありました。

この家では、壁と天井には ベニ花の植物油を主原料とした水発砲の安全な吹き付け断熱材 「アグリ」(注:2020年現在は会社名、商品名がかわっています。メーカーのHPはこちら。)による断熱工事を行いました。
窓には内窓(元からあるアルミサッシの室内側にもうひとつ取り付ける窓のこと)を取り付けて、断熱性をアップさせました。

マンションの場合、廊下や玄関などに窓のない場所ができて湿気がこもりやすくなることがありますが、この家では玄関と寝室の間の壁や、リビングと子供室の間の壁には上部に窓をつくり、家全体に風が通るようにしました。

玄関ホール。右上の障子が寝室につながる
ご要望にあわせて製作したキッチン。取手は真鍮製。

キッチンや食器棚は奥さまのご要望にあわせて製作しました。引き出しや扉は栗材です。
引き出しの寸法や扉の開き方、設備機器、金物などについて、キッチンだけではなく家中のいろいろなところについて細かい打ち合わせをして決めていきましたが、好みがとても近かったのであれこれ話が盛り上がり、いつもとても楽しい打ち合わせでした。真鍮好きでも意気投合です。

全体の費用を下げながらもできるだけたくさんの要望を実現するために、家族みんなで床の塗装をしたり、設備機器をご自身でご手配していただいたりの工夫を重ねていきました。

子供室(板で囲まれた部屋)の上部の引き戸をあけるとダイニングとつながる。

お引渡ししてから3か月後。お住まいになってからのこと、設計中のこと、工事中のことなどを伺ってきました。その時のインタビューの様子はこちら。

工事中の様子はこちらからどうぞ。

建築概要
建築地:東京都渋谷区
構造規模:RC造 地上3階建マンションの3階
建物新築時期:昭和58年(築33年)
延床面積:80.10㎡(24.23坪)
用途:専用住宅
世帯:夫婦+子供2人
施工:創和建設
テーブル、椅子、ペンダント照明製作:hyakka
完成:2017年11月