注文住宅と建売住宅｜違いを知って自分にあった家づくりをしよう

注文住宅の特徴

ハウスメーカーや工務店、設計事務所などに依頼して、プランや仕様の要望にあわせた家づくりをできるのが注文住宅です。
その特徴について具体的にお伝えします。

１，間取りや仕様を自由に決定できる

注文住宅の魅力は、なんといってもプランや仕様を自分の要望にあわせることができる自由度の高さにあります。

こんな要望がある人は、注文住宅ですね。

２，建売住宅よりも時間がかかる

いちから間取りや仕様を決定していくので、建売住宅よりも入居までの時間がかかります。土地が決まってから建物の打合せをすることになるので、短くても8か月～1年以上の時間が必要になります。

注文住宅では、打合せで納得できるプランや仕様を決めるまでに何度もやり取りをしたり、予算の調整に時間がかかったりすることがよくあります。最初の段階ではいつ頃完成するかの目途が立ちにくいので、学校の入学などスケジュールをずらすことができない予定がある場合には、余裕をみてかなり早めから計画をスタートしましょう。

３，建売住宅よりも費用が高くなる

注文住宅は、要望の聞き取りやプランの提案、細かな仕様の決定など。一軒の打合せにかける時間が建売住宅よりも長く必要になります。また工事にも時間がかかるので、費用も建売住宅に比べると高くなります。

それぞれの家にあわせた仕様になるため、材料の一括購入や複数棟まとめて工事ができる建売住宅よりも仕入れ価格や人件費が高くなる傾向があります。

ただ、一般的な建売住宅よりもずっと面積の小さな家を建てることでコストダウンしたり、壁の左官仕上げや塗装を自分でやったり、個室は不要だから仕切り壁や扉はいらない、便利な設備は一切不要・・・などといった思い切った切り捨てができる人は、アイディアと建築会社次第では建売住宅よりも安く建てられることもあるかもしれません。

４，工事途中の状況を確認することができる

注文住宅は打合せをして内容が決定してから工事をすることになりますので、工事の途中の状況を自分の目で確認することができます。

基礎の配筋や構造の部材、断熱や防水、気密の工事など、家が完成してからでは見ることができない部分について、工事を見学したり記録に残すことも可能です。

よくないことですが、建売住宅の場合は工事途中で見えなくなってしまう部分について、手抜き工事が行われることがあります。注文住宅では建て主の方が工事の途中を目にすることもあるので、その可能性は少なくなります。
(もちろん建売住宅でもしっかりとした工事をしているところもたくさんあります。念のため。)

とはいえ、一般の方が途中の工事状況が正しいかどうかを判断することはなかなか難しいと思いますので、信頼できる工事会社を選んだり、工事とは独立した立場で現場を監理（チェック）する設計事務所に依頼するのが安心です。

建売住宅の特徴

土地と建物がセットになって販売されているのが建売住宅。すでに建物が完成した状態で販売されている場合もありますし、建築途中で販売されている場合もあります。その特徴について具体的にお伝えします。

１，入居までの時間が短い

建売住宅はすでに完成している住宅を購入することが多いので、購入後にすぐに入居することができます。建物の検査やローンの手続きをした後、早ければ１か月程度で入居できることも。

工事前や工事中で販売する場合でも、すでに仕様が決まっているので、入居までの期間を注文住宅よりも短くすることが可能です。

注文住宅の場合は、仕様や建築会社の状況にもよりますが、一般的には8か月～1年以上の時間が必要になります。そんなに待てない、という方は建売住宅がおすすめです。

２，建築費用が比較的安く抑えられる

建売住宅はすでに仕様が決まっていて、一般的にはそのメーカーの標準的な工法や材料でつくられています。そのため、材料の一括購入をしたり、一帯の分譲地の場合には工事をまとめることにより効率化ができるので、注文住宅と比較すると工事費用を抑えることができます。

また物件にもよりますが、建売住宅は仕様や設備機器は標準的なものであることが一般的なので、こだわりの仕様が多い注文住宅と比較すると価格が抑えられていることが多いです。

ただし、価格を抑えるために断熱や窓の性能などがあまりいい仕様になっていこともあるので、内容をよく確認することが大切です。エアコン３台サービスします！とか、床暖房、食洗器付き！とか、そういったわかりやすい宣伝に惑わされることなく、断熱や窓の性能、構造についての仕様など、見えない部分のこともしっかりチェックしておきましょう。

３，実物を確認してから購入することができる

建売住宅は完成した状態で販売されていることが多いので、実際の建物を見て、体験してから購入するかどうかの判断ができます。

注文住宅では間取り図やパースなどで計画をイメージすることになり、完成後に思っていたものと違う・・・ということもあるかもしれませんが、実際に確認できるのは建売住宅のいいところです。

ただし、建売住宅は工事中の状況を確認することができませんので、すでに見えなくなっている部分の工事もしっかりと行っていると信頼できる会社を選ぶことが大切です。

４，プランや仕様の自由度が低い

建売住宅はすでに建物が完成していることが多いので、自分の好みのプランや仕様を選ぶことができません。これから建築する物件の場合はオプションで変更できることもありますが、ある程度の選択肢の中から選ぶなど自由度が低くなります。

プランや仕様などにこだわりがある場合にはこれがデメリットになります。ですが、特に強いこだわりがなく建売の仕様に満足できるようであれば、自分であれこれ考える手間や時間が省ける分、むしろこれがメリットに感じられる人もいると思います。