快適で使いやすい玄関のために

市川の家」の玄関 収納を上下に分けて間に窓をつけています。 下駄箱下の間接照明が石張りの玄関床をやわらかく照らします。

玄関は家全体における広さは小さいけれど、家に帰ってきた時にいちばん最初に入る場所ですし、訪れる人にとってはその家の中の第一印象になるところですので、快適で使いやすい場所であって欲しい場所です。

換気と自然光取り入れのために窓をつける
流山の家」の玄関 
ホールの奥の格子戸を開けるとリビングへとつながります。

流山の家」の玄関 
防犯ガラスの入った窓をつけています。靴を脱ぎ履きが楽なようにタテ手すりを取付け。

日本の場合、住宅では玄関で靴を脱ぐことがほとんどなので、玄関にはどうしてもその湿気や臭いがこもってしまうことが多くなります。ですので換気ができるようにするためと、自然光を取り入れるために、できるだけ開閉できる窓をつけるようにしています。

ただ、窓をつける位置や大きさによっては、ガラスを割られてそこから玄関の鍵を開けられてしまうこともあるので、割られにくい防犯ガラスを使用したり、玄関の鍵に手が届かない位置にするなどの検討をすることが必要です。

流山の家」の玄関 扉は建具屋さんの製作による木製扉
松戸の家 玄関とホールとの間には引き戸があり、冬場に冷気が室内に入ることを防ぎます
松戸の家」の玄関 下駄箱の上はオープンにして飾り棚に
松戸の家 トップライトがあり明るい玄関
松戸の家」の玄関を廊下側から見たところ

上の写真は新築住宅の「松戸の家」の玄関。
この家は写真に写っている下駄箱以外に、玄関から繋がる土足で入れる1坪弱の広さの玄関収納があるため収納スペースは十分なので、下駄箱の高さを1m程度としてその上を開けて、雑貨を飾ったり鍵を置いたりできるようにしています。

また、玄関扉を開け閉めする際、冬には冷たい外気が室内に入り込むことになるので、それをできるだけ防ぐために、玄関ポーチ(タイルの部分)とホール( フローリングの部分)の間には引き込み戸をつけています。

その脇は透明ガラス(強化ガラス)にし、できるだけ広さを感じられるようにしています。ホールの上にあるトップライトからの明るさをポーチ側に呼び込む効果もあります。

窓がない玄関でも風通しよくできるような工夫を
マンションリノベーション「初台の家」の玄関 
上部には風通しのための障子。ガラスの入った引戸が居間の明るさを玄関まで呼び込みます。

マンションリノベーション「荻窪の家」の玄関 
風通しと明るさを取り込むために、玄関から寝室につながる木製窓をつくりました。

家の大きさにもよりますが、全体の面積が限られている場合には、長い時間居る場所であるリビング、ダイニングをできるだけ広くできるようにするため玄関があまり広く取れないので、壁一面の玄関収納にすることもあります。

そういった場合には窓をつけることができなくなることもありますので、そのかわりに玄関からそこにつながる部屋を通りして風を通すことができるように、出入り口とは別に少し高い位置に窓(木製窓や障子)をつけるなどの工夫をしています。マンションでもともと窓がない場合も同様です。

窓がつけられない場合には、玄関扉を開けておくことができるように、玄関扉のところに網戸をつける場合もあります。

飾るスペースをつくり楽しめる場所を
マンションリノベーション「大宮の家」の飾り棚 
手すりもつけて、段差の上り下りが楽にできるように。

壁一面の玄関収納にした場合には下駄箱上に飾るスペースをとることができないので、そのかわりに壁の一部を少しくぼませて小さな飾り棚をつくることもあります。ほんのちょっとのスペースですが目につく場所になりますので、季節の花を飾ったり、お気に入りの雑貨を飾ったりと、その家のらしさがあらわれる場所になります。

玄関の段差は低すぎず高すぎない高さに

玄関ポーチから靴を脱いでホールのフローリングの上に上がる際の高さについては、戸建て住宅の場合とマンションの場合では異なる場合が多いです。

戸建て住宅の場合は、通常は17センチから18センチ程度の段差にしています。一般的な住宅の階段の1段の高さよりも少し低いくらいの高さで、低すぎず高すぎないちょうどいい高さです。

もう少し低い方が上り下りしやすいと思われるかもしれませんが、あまり低すぎると腰かけて靴を履く場合には座りにくくなってしまいますし、これよりも高いと上り下りが大変になってきますので、私はこの高さにしていることが多いです。
(低い場合には、スペースがあれば腰を掛けるスツールを置くのもいいですね。)

ただ、当初から車いすや足の不自由な方が生活することを想定する場合にはもっと低くしたり、スロープ(斜めのアプローチ)にする必要がありますので、その家に暮らす方に合わせて決めていきます。

マンションの場合には、一般的には玄関ポーチと室内部分の下地のコンクリートの高さに差がない場合が多く、段差を大きくすると室内の天井高さが下がってしまうので、玄関にはあまり段差つけない場合が多いです。
その場合には腰をかけずに靴を脱ぎ履きする場合には、タテ手すりをつけると動作が楽になりますし、壁が汚れるのを防ぐこともできるのでいいと思います。
(もちろん戸建て住宅の場合でもいいですね。)

このように、玄関は小さなスペースですが、少しずつの工夫をすることで快適で使いやすい場所にすることができますので、住む方の暮らし方にあわせてひとつづつ細かく考えてつくっています。