国産の木にこだわって家を建てたい

私たちの家づくりでは、できる限り国産材を使うことをご提案しています。
それは、日本で建てる家なので、日本の気候風土の中で育った木を 使うのが合っているということがひとつ。
もうひとつは、国産材が使われずに危機的状況にある日本の林業に、ほんの少しでもプラスになりたい、という想いがあります。

山の中で葉枯らし乾燥中の杉の木
日本の山の現状

日本は国土の約67%が森林で覆われていて、そのうちの多くを人工林(人の手によって植栽された森林)占めています。人工林は植林して、育てて、伐採するというサイクルを繰り返してずっと受け継がれてきましたが、現在日本では日本の木があまり使われていないため、山には利用可能な段階まで成長している木がたくさんあるのに余ってしまっている・・・という状況が続いています。
現在日本の住宅で使われている木材は国産材よりも外国から輸入されている木材であることが多いのです。

そうなると人工林を手入れする手間や費用がかけられずに放置されてしまう山もあり、下草が育たずに土壌が失われたり、土砂崩れを引き起こす原因になったりします。

そういったどんどんひどくなっていく山の状況をよくするためにも、1軒1軒の家では全体から見ればほんの少しかもしれませんが、できるところは国産の木を使いたいと思っています。

具体的には下記のような木をよく使っています。
・構造材(柱や梁、土台)は杉や桧。
・床や壁、天井などに使う場合は、杉、桧、唐松、赤松、さわらが多いです。
・家具や棚などには、杉や桧をパネル状にしたものを使ってつくることが多いですが、カウンターや机や洗面台など硬さが必要になる場所には国産材であれば栗や胡桃を使います。国産材で探すことがむずかしい場合は、ナラやタモ、チェリーなどを使うこともあります。適材適所です。

木の産地を訪ねて

新築戸建て住宅の「市川の家」では構造材(柱、梁、土台)だけでなく、床材や建具や窓のまわりの枠材、建具など多くの箇所に天竜(静岡県)の杉やヒノキを使わせていただきました。

この材料を提供してくださったのは、素材生産業者の榊原商店と製材業者数社のネットワークであるT.S.DRY
自分の家に使われる材料が育ったところを実際に見てみようと建主ご夫婦と一緒に天竜を訪れて、山や製材所など現地の様子を見せていただきました。

製材されるのを待つ乾燥中の杉の丸太。伐採された場所や日にちなどがバーコードで1本1本管理されています。

こちらの材料は、伐採(森林の木を切り倒すこと)した山に枝や葉をつけたまま3ヶ月以上放置して自然乾燥させる「葉枯らし」をおこなっています。

木は伐採されても生命活動をしていて、枝葉は木の水分や養分を使って光合成を行っているので、そのことにより少しずつ木から水分や養分が少なくなり、だんだんと乾燥していきます。
この時間をかけた葉枯らし乾燥によってカビや腐朽菌をよせつけない成分(フェノール成分)がつくられ、カビや腐りに強い木材になり、さらに色、艶、香りがよくなります。

貯木場で乾燥中の杉の木

山の状況を拝見した後は、製材所へ案内していただきました。ここでは柱や梁の形に製材された木だけではなく、自然乾燥中の丸太のままの木もたくさん積まれています。ここで十分に乾燥した木を、柱や梁に製材していきます。

その後は実際に「市川の家」で使用する柱や梁の材料を見ながら、1本1本確認をさせていただきました。木材に限らず、材料やつくる過程を確認しながら、つくり手の方とたくさんのやりとりをしてその想いを感じることで、安心なだけではなく愛着がわき、より家を長く大切にする気持ちが大きくなっていくのではないかと思います。