照明の色は一般的には「電球色」「温白色」「白色」「昼白色」「昼光色」の5種類があります。「電球色」がオレンジ色のいちばん温かみのある色で、「昼光色」むかってどんどん青白い色になっていきます。
それそれの人によって好みがあるので、どの色を使うのが正解というのはないのですが、私は暖かい色の照明が灯る空間の方が落ち着きがあって心地よく感じるので、自分の家では「電球色」を使用していますし、設計する家でも多くの場所では「電球色」の照明器具を選んでいます。
多くの場所で、とあえて書いたのは、一部「昼白色」の器具を付ける場所もあるからです。
「昼白色」というのは、太陽の明るさにいちばん近い自然な光の色です。ですので洗面所の鏡の前付ける照明器具や、勉強机の手元灯など本当の色みが見えた方がいい場所にはこの「昼白色」を使用することが多いです。
それぞれの場所にどんな照明を計画するかは、住む方の生活の仕方や好みをお伺いしながらご提案させていただき、決定していきます。
また最近はひとつの照明器具で色を変えることができる照明もありますので、状況によって照明の色を変えたいという方はそういったものを選ぶものいいかもしれませんね。(といいながら、私は1度だけしか使ったことがないのですが・・・)
例えばパナソニックなら「シンクロ調光」、小泉照明なら「Fit調色光色切替シリーズ」、オーデリックなら「よくばりシリーズ」などです。
10年ほど前にLEDが出始めた頃は、「電球色」といっても白熱灯の電球の色とは全然違ったかなり違和感のあるオレンジ色だったので使うことに抵抗があった時期もありましたが、最近のものはかなり技術が進んでいて、白熱灯の電球の色にかなり近い暖かみのある色の器具や電球が多くなりましたので、特別な要望がない限りはLEDを使っています。
照明器具を選ぶ際には「Ra値」もチェックして選んでいます。「Ra値」は色の演色性(色の見え方に及ぼす性質)表す値で、値が高い方が自然な光に近い色味です。最近ではRa95や96のものも出ています。
同じような器具でもこの値によって金額が違いますので、コストの調整が必要な場合には、リビングや個室など長い時間滞在する部屋についてはRa値の高いものを選び、それ以外の収納や廊下などの場所にはRa80程度のものを選ぶなどといったように使い分けることもあります。
パナソニックや小泉照明などのショールームへ行くとそれぞれの器具を点灯してみることができるので、家づくりを検討中で照明器具を選ぶ場合には、色の違いやまぶしさの違いがどのくらいなのかを体験してみるといいと思います。
写真は昨年完成した「河口湖の家」の夕景写真です。
暗い中にぽっと浮かぶ暖かい色の照明、やさしくていいですよね。