チクチク活動、続いています

今もチクチク活動(革のカバンや小物づくり)細々と続いていまして、最近は鞄とファイルカバーなどをつくりました。

上の写真右側は、仕事のポートフォリオ(これまでの仕事をまとめたファイル)でして、ずっとカバーのないままで使っていたのですが、ようやくカバーをつくりました。

以前、友人(建築家)のポートフォリオを見せてもらった時、仕事の内容もカッコよかったのですが、ファイル自体も革のカバーのとってもカッコいいもので印象に残っていて、自分もほしいなーと思ったまま、だいぶ時間が経ち、今になってしまいました。

伊東屋さんなどで革のファイルを見てみたところ、なかなかいいお値段だったのと、ずっと使っている無印良品の横から入れるファイルが自分の使い方にはとても合っているので、買うのではなくて自分でつくることにしました。
ちなみにサイズはA4です。この手縫いのチクチクにはなかなか根気がいります。

でも。
ポートフォリオは事務所にお越しいただいた方に、ファイルの中身を見せて設計事例の説明をする時に使うことが多いので、このカバーを見ている人なんて多分いないでしょうから、このカバーは自己満足でしかないような気もしますね(笑)

もともと鞄とか靴とかの革のものはとても好きだったのですが、自分でつくるようになるまでは革の違いをあまりよく知りませんでした。

人工皮革とか合成皮革といった革みたいなものか、本革かの区別だけではなく、本革とひとことでいっても、そのつくられ方にはいろいろと違いがあるのです。

動物の「皮」を「革」に加工する工程を「なめす」というのですが、革のなめし方には「タンニンなめし」と「クロムなめし」という2つの方法があります。

「タンニンなめし」は、植物の樹皮から抽出した渋を含んだ溶液で、1ヶ月以上の時間をかけてなめす方法。
ものすごく手間がかかっています。

「クロムなめし」は、クロム化合物と反応させることでなめす方法で、1日程度の時間で加工できるそうです。
ですので当然こちらの方が価格が安く、世の中の革製品はこちらの方法でつくられた革が使われていることが多いのです。

「タンニンなめし」の革は傷がつきやすいのですが、使っていくうちにだんだんと色が濃く深みを増し、やわらかく馴染み、とてもいい風合いになっていくので、私はこちらの革を使っています。

これと同じようなことが木材にもあって、なんとなく見ていると同じような木にみえるかもしれません。
けれども、ムクの木と、表面だけに薄い木が張ってあるもの(突板)と、細かい木材をつなぎあわせたもの(集成材)とでは、どれも木ではあるけれど、さわり心地も、色や艶の変化も、風合いのよさも全くちがうのですよね。

さらに細かく言うと、ムクの木でも樹種の違いだけではなく、同じ樹種でも乾燥の方法(人工乾燥か天然乾燥か)とか、どんなところでどんな風に育った木かなどということで、いろいろと違いが出てきます。

革でも木でも、それぞれの加工方法によって特徴があり、好みや使われ方によってどちらがいいとはいえないので、状況にあわせて使い分けていくのがいいのだと思いますが、私はできるだけ自然な方法でつくられたもの、経年変化によって風合いがよくなっていくものが好みです。

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