雪谷の家
小さくても広がりのある暮らし
東京都大田区
ご両親が住んでいる家の庭の木々をできるだけ残すようにしながら、その庭の一角に建てられた住宅です。
庭やご両親の家への影響を少なくするために、面積や高さを抑えながらも気持ちよく暮らせるように検討しました。
限られた面積の中でも明るく広がりのある家にするために、ダイニングの上に子供室へとつながる吹き抜けをつくりました。吹き抜けをつくると2階の面積はその分少なくなるので、最初にプランをご提案した際には、吹き抜けをつくるよりも子供室が広い方がいいのではないかという話もありました。
この吹き抜けがあることによって、1階にも明るさを呼び込むこと、ダイニングが開放的に感じられること、ダイニングやキッチンにいても子供室とのコミュニケーションがとれること、夏には1階から2階に風が抜けて風通しのいい家になることなどをご説明して吹き抜けをつくることに。
家が出来上がってお伺いした際に、住み始めてからこの吹き抜けがあることのよさをとても実感するとよろこんでいただきました。
居間の天井は、2階の床の下地板と構造材(梁と根太)を見せています。デザインのアクセントになるとともに、仕上げ材のボードや壁紙を省略できる分コストダウンにもなるというよさがあります。
また、建物の高さ制限があり天井の高さがあまり高くとれないのですが、このように天井を張らないことによって高さを高くすることができます。
床は徳島県産の杉ムクフローリングの上に自然塗料塗。
壁、天井はしっくい塗り仕上げです。
1階はリビングとダイニングとキッチンがつながった開放的なプランです。キッチンはダイニングへの移動距離をできるだけ短く便利にしながらも、お互いの様子が見えるようにしたいというご要望にあわせて、対面式ではなくダイニングと横につながるカタチにしました。
キッチンの正面の窓からは庭の緑がながめられます。勝手口は引き戸式で網戸がついているので、あけて風通しをよくすることもできます。
キッチンセットと食器棚は要望にあわせてオーダーし、大工さんにつくっていただきました。
シンクの下や食器棚の下の部分には、扉をつけないオープンなスペースをつくり、ごみ箱などをおいて便利に使うことができるようにしています。
キッチンセットと食器棚(下部)の収納はすべて引き出しとし、奥まで有効に使えるようになっています。
2階の子供室は将来2部屋にわけられるように化粧梁を入れています。家の完成当初はまだお子さまが小さくて個室は必要がないので、半分をフローリング、半分を畳敷きにして自由に広々と使えるようにしました。
右側の障子をあけると吹き抜けにつながっているので、そこを通してダイニングやキッチンから声を掛けたりすることもできます。
正面は造り付けの本棚。上部にトップライトがあるので、昼間は1日中安定した明るさがあります。
写真
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建築地:東京都大田区
構造規模:木造(在来)地上2階建
敷地面積:181.29㎡(54.84坪)
延床面積:82.57㎡(24.98坪)
用途:専用住宅
世帯:夫婦+子供2人
施工:創建舎
完成:2014年12月